掃き溜めのこがねむし―肉体変化少女のススメ―

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今はネットカフェからつないでます。とりあえず、週１ぐらいのペースでぼちぼちいけたらな、と。
前回の垢舐めがそこそこ好評だったようで、また私のほうでもやりたいことがいくつかあったので第2弾をこさえてみました。今回は前・中・後編の三回に分けてアップしようとおもいます。それから、こがねむしは最近フォトショを扱うのを少し覚えたので、今回試しにグレー彩色を導入してみました。この前の垢舐め分も差し替えてみたので、よかったらどうぞ～。

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変身:一反木綿

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板垣泉はその夜何度目か分からない寝返りを打ち、見飽きた病室の天井から傍らに寝かしてある真新しいカメレオンの縫いぐるみに視線を移した。泉の母・雫が泉のために手作りし、今日持ってきてくれたものである。
ベッドの枕元には、雫が忘れていった裁縫箱と一緒にこれまで雫が作ってくれた何十体もの縫いぐるみたちがひしめいている。どれもこれも大型で、泉の半分以上の大きさがあるものも少なくない。ピカピカのカメレオンと違ってそれらはかなり使い古された様子であり、中には何度も修繕されてツギハギになっているものも多かった。
泉は生まれつき身体が弱い。小さい頃から入退院を繰り返し、中学校にあがった今でもそれは続いていた。
(縫いぐるみ、作ってくれるのは嬉しいけど……)
泉は、今日の昼間に母が見舞いに来てくれたときのことを思い出す。

※※※

「ねぇねぇお姉ちゃん、見てよこの服！　ママがつくってくれたの！」
泉の四つ下の妹、みなもははしゃいだ様子でくるり、と一回転してみせた。
みなもが着ているのは、可愛らしい黄緑色のワンピースである。
「ダメよみなも、病院なんだから静かにしなきゃ」
雫が下の娘をたしなめるが、その口調は穏やかだ。
いつもこうだ、と泉はカメレオンの目玉(ボタン)を弄くりながらひとりごちた。みなもは泉と違って健康な子供で、その分やんちゃだった。両親はそんなみなもに手を焼きながらも、泉と違って元気な姿を見せてくれるこの娘のことを大目に見ているようだった。
そして雫はみなものために、度々洋服を仕立ててあげるのだった。
泉はそれが気に食わない。本当は泉も縫いぐるみなんかじゃなく、服が欲しいのだ。でも母は病気がちな自分のためを思って縫いぐるみを作ってくれているのだし、そもそも自分は仕立ててもらった服を着て歩くことがほとんど出来ない。それを了解しているから、泉はいつもそのことについて何も言わないのだった。



※※※

「――本当にいいの？　それで」
聞きなれない声にギョッとして跳ね起きると、窓辺に見知らぬ女の子が腰掛けていた。年のころは妹と同じぐらいだろうか。しかし足首まである銀髪に黒い着物という出で立ち、そして何よりもギラギラと怪しく光る目が不気味である。
「だ、誰！？　どうやって入ってきたの……！？」
真夜中の病院、しかもここは３階だ。とてもこんな子供が侵入できるはずがない。
「さあね。くすくす……どうだっていいじゃない、そんなこと」
少女の姿をした侵入者は泉の問いかけを笑ってはぐらかすと、リノリウムの床に音もなく降りたった。
「それよりも、本当にこのままでいいの？　このままだとあなた、一生お洒落なんてできないわよ。カビくさい病室に閉じ込められて、朽ちていくだけ……」
「そっ………！」
一瞬の逡巡。
「……そんなのは……嫌。いいわけ、ない。だけど……」
「決まりね」
泉の言葉をさえぎるようにして、少女がぴしゃりと言い放つ。次の瞬間、泉は全身に今だかつて感じたことのないような、異様な感覚をおぼえた。
「っ！？　く……あ、あぁぁぁっ！？　きひぃぃっ！」
たまらずベッドから転げ落ち、床の上をのたうちまわる。
「ぃ……ぅ、ぁぁ、い、一体何が………っ！？」
やっとの思いで身を起こした泉が目にしたのは信じられない光景だった。
「い――――いやぁぁああああああっ！？」
足の指がなくなっている。癒着してひと塊になってしまった泉の足先からは「厚み」が失われていた。まるで布切れのように、ぺらぺらになってしまっていたのである。そしてその「平面化」は、足首から脛にかけてをじりじりと侵食するように広がってきていた。


「くすくす、『一反木綿』って知ってる？　長ぁい布の姿をした妖怪なの。あなたはもう人間じゃない。これから妖怪・一反木綿として生まれ変わるのよ」
「よ……妖怪……ぃひぃっ！？　や……やだっ！　そんな……お化けなんかになりたく……ないうぅぅっ！？　ぅあぁぁぁっ！？」
「もう遅いわ。ほら、もう体の方まで布になってきた……」
「そんなっ！　やだっ……やだぁぁぁっ！！　助けてぇぇぇっ！！」
泉はどうにかして抗おうと必死にもがくが、布になってしまった身体はへなへなとして力が入らない。そうしているうちに手も足も癒着し飲み込まれて、泉は完全に肌色と黒からなる長い布と化してしまった。
「あは……綺麗にぺらぺらになったわね。似合ってるわよ……くすくす」
黒服の少女は泉の身体をパジャマからズルズルと引っぱり出し、床の上へぞんざいに投げ出した。


「あ、あぁぁ、あ……そんな……こ、こんなの酷い……！」
泉は手も足もない布きれと化してしまった自分の身体を見て、絶望の声をあげた。
「酷いっ！　元に……元に戻してよっ！　こんな姿でお洒落したり、外を出歩いたりできるわけないじゃないっ！！」
「くすくす、心配しなくても……」
邪悪な笑みを湛えた少女がパチリと指を鳴らす。と、枕元に置いてあった雫の裁縫箱から、まるで生き物のように裁縫バサミや針、糸などが飛び出してきた。
「ひっ…………！？」
「この子達が、今からあなたを素敵に仕立ててくれるわ……くすくす！」
泉は、厚みを失った全身をうち震わせて悲鳴を上げた。

1. 2007/08/10(金) 20:33:01|
2. シリーズ/怪談・黒童
3. | トラックバック：0
4. | コメント：6

今回も妖怪化おつかれさまですｗ
妖怪と化した彼女はどうなるのか、中編後編も楽しみです～
それにしてもこの加害者、鬼畜であるｗ（ぉ

1. 2007/08/11(土) 01:31:53 |
2. URL |
3. デュール #NRXdkuuw
4. [ 編集]

鬼太郎の映画を思い出した

1. 2007/08/11(土) 19:23:42 |
2. URL |
3. #-
4. [ 編集]

うわ～～
これから自分自身がおしゃれなものに改造ですかｗ
でも、某漫画でも、一反木綿がパン○にされるっていうのがあったことを思い出します。

1. 2007/08/12(日) 03:19:07 |
2. URL |
3. 現在楽識 #-
4. [ 編集]

おおおおおおおっ、こ、これは！
一反木綿化…まさにど真ん中ストレートですよ！！
私は平面的な物にされてしまうというシチュが大好きでして、今回のネタも最高に楽しませて頂きましたｗ
「まるで布切れのように、ぺらぺらになってしまっていた」
「布になってしまった身体はへなへなとして力が入らない」
「手も足もない布きれと化してしまった自分の身体を見て、絶望の声をあげた」
SSも私のツボを付くような素敵な表現ばかりで、イラストの萌え度を倍増してくれます！！
イラストも乳首と、特におへそが布地に残っているのがもう…ｗｗ
そしてオチに服化フラグが！！
この後さらに服にされてしまうのでしょうか、期待と妄想が膨らみますｗｗ
後編が楽しみすぎて、手が震えておりますよ…！
いや、冗談抜きで本当に素晴らしい作品です！

1. 2007/08/12(日) 12:00:19 |
2. URL |
3. 時報の人 #NcbmeUl2
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妖怪シリーズ楽しみに待っています。これからもがんばってください。

1. 2007/08/13(月) 17:35:44 |
2. URL |
3. ドロイド #-
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デュールさん＞はい、鬼畜です。Ｓな女の子って大好きですからっ（笑
彼女の暴挙は中後編にかけてもエスカレートしていくと思われるのでご期待ください（？）

現在楽識さん＞「妖怪仕置人」の伊丹くんですね。実家に全巻あります。あの漫画もそうとう変なフェチ描写がいっぱいでしたなぁ。平面化もあるし（笑
ぶっちゃけ今回のネタはその漫画と、上で匿名さんがおっしゃってる８０年代鬼太郎の「最強妖怪軍団！日本上陸！！」から膨らませたネタなのでありますー。

時報の人さん＞お気に召したようで何よりです。私のほうとしても平面化やこの後出てくる服化なんかは時報さんやるりょうりにケンさんのサイトを覗くようになってから開発された属性なんで、その時報さんに褒めていただけるとこちらも励みになりますっ。
ヘソは文章書いたときには考えてなくて絵を描くときアドリブで入れたんですけど、そこそこうまくいきましたね（笑

ドロイドさん＞いつもありがとうございます。頑張りますー

1. 2007/08/14(火) 12:53:45 |
2. URL |
3. こがねむし #-
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