実家に居る間に、繋がらない間描いてたものをちょっとアップしときますね。スキャナの関係でなんかやけに黒っぽい画像になっちゃいましたが、そこはご愛嬌。
あ、それから下のほうに簡易チャットを設置してみました。簡単な掲示板代わりにでもどうぞ。
変身:垢舐め 形質変化:液化
「はぁ……終わんないよぉ」
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夏休み。赤石綾子はデッキブラシにもたれかかったまま溜息をついた。水泳部員の彼女は、遅刻常習の罰としてプール掃除を一人でやるように命じられていたのだ。
「だだっ広いし、ぬるぬるして気持ち悪いし……もう最悪!」
このぬるぬるが、一学期の間に堆積した全校生徒の「垢」だと思うと余計気持ちが悪くなってくる。
と、その時。
「――助けてあげましょうか?」
「え?」
突然の呼びかけに振り返ると、プールサイドに見知らぬ子供がすわっていた。真っ黒い着物に銀色の髪、目にはどこかただならぬ光が宿っているのを感じる。
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「……あんた誰? どっから入ったの?」
「さあね。くすくす……どうだっていいじゃない、そんなこと」
綾子は少女に対する不信感も露わに問い詰めるが、当の少女は何処吹く風。逆に綾子に対して、先ほどの問いを繰り返した。
「それよりも、どうなの? 助けて欲しいの? 欲しくないの?」
(何よこいつ、気持ち悪い子供……)
それでも、いま自分に押し付けられている仕事が少しでも楽になるなら、それは願ったり叶ったりというものだった・
「……そりゃ、手伝ってくれるってんなら頼みたいもんだけどさ」
「……決まりね」
少女はニヤリ、と口元を歪めた。
「でもあんた、そんな格好でプール掃除なんて……んぐうッ!?」
突如として、綾子の身体に異変が起きる!
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んぐうぅぅっ!? ふぐ、ふあぁぅぅ!?」
(な、何コレッ! どうなってるの!?)
「くすくす、『垢舐め』って知ってる? 風呂場に住み着いてヒトの垢をベロベロ舐める妖怪なの。プール掃除にはうってつけだと思わない?」
「あ、あんふぁ、何いっへ……むうぅぅっ!?」
「舌が伸びちゃって上手く話せないのね? 心配しなくても、すぐに馴れるわ。それよりもホラ、身体のほうも変わってきたわよ?」
「ふぁっ!? ひ……ひあああぁぁぁっ!?」
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綾子の手足は先から黄色く変色し、じっとりと粘液を分泌するようになってきていた。長く伸びた指先には吸盤ができ、さらにはヤドクガエルを思わせる斑模様が浮かび上がってくる。
「サービスでおっぱいもちょっとだけ大きくしてあげたの。感謝してよね……って、それどころじゃないか。くすくす……」
既に綾子の変化は全身に広がり、粘液で張り付いたシャツには斑模様が透けて見えている。そして顔にまで変化が到達するのと同時に、綾子の黒髪は毒々しい赤色へとその彩りを変えていた。
「ぐ……うぐぅ……」
「どうやら終わったみたいね。妖怪に生まれ変わった気分はどう?」
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「も……戻して……こんなのヤダ……あたしのカラダ、元に戻して……」
変わり果てた姿にされてしまった綾子は、涙を流して哀願した。眼から流れる涙までも、ぬとぬとと糸を引く粘液になってしまっている。
「あは。ちゃんと喋れるようになったね……でも、だーめ」
少女は綾子の懇願を一蹴した。
「そ、そんな……」
「くすくす。そんなことより、早くプール掃除しなきゃいけないんじゃない?」
「ふ、ふざけないでっ! 誰がこんなカッコでプール掃除なんか……プール掃除、なんか……」
少女の言葉に、垢舐めと化した綾子は気づいてしまう。プールの底から漂ってくる、例えようもないほどの香ばしい匂いに………。
※※※
「ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ……ぺろぺろ、じゅるるぅ…んくっ、はぁぁ……ずずう」
(嘘……嘘嘘うそぉ! なんであたし、こんなことしてるのぉ!?)
綾子は少女が見下ろす中、長い舌を縦横無尽に動かしてプールの垢を貪っていた。デッキブラシでいくら擦っても落ちなかった黄ばみや汚れが、みるみるうちに綺麗になっていく。
(ヤダヤダ、汚いっ! プールの汚れなんて、こんなのが美味しいわけないのにぃ……なんで!? なんでやめられないのっ!?)
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「くすくす、これで分かったでしょ? あなたは妖怪垢舐め。もう人間の食べ物なんて受け付けない身体なの。これから一生、そうやって汚れを舐めて暮らすしかないのよ」
「うぅぅ……やだぁ……こんなのやだぁ……」
「やだやだ言ってるくせに、すごい食欲じゃないの。そんな排水溝の中まで舌を突っ込んで……はしたなぁい」
「ち、違う……これはっ、これは身体が勝手にやってるのよっ! あんたのせいでしょ! あんたが、あんたがあたしをこんな化け物にっ……!」
綾子が少女に食って掛かろうとした時、綾子のお腹がぐう、と鳴った。
「ひっ!?」
「あはは、まだ食べ足りないみたいね。本当にいやしい子!」
真っ赤になってうずくまる綾子に、少女は容赦なく嘲笑を浴びせる。
「やだ……もうやだぁ……お母さぁん……」
「くす……そんなに嫌なら、条件次第で人間に戻してあげてもいいわよ?」
少女の言葉に、綾子は弾かれたように顔を上げた。
「ほ、本当!? お、お願い、お願いしますっ! なんでもするから、あたしを元のカラダに戻してぇ!!」
綾子の言葉に、少女はしたり顔でほくそえんだ。
「分かったわ……そうね、簡単な事よ。ちょっとお食事をしてくれるだけでいいの……いやしいあなたには、ぴったりの仕事じゃないかしら?」
そのとき。
「赤石? 誰と話してるの? ちゃんと掃除を……」
綾子にプール掃除を命じた水泳部長が、小言を言いながらプールサイドに姿を現した。そして彼女は目の前の光景に、言葉を失って立ち尽くした……。
※※※
「――うあぁぁああっ! ひぃあぁぁぁぁっ!! 嫌! 嫌ぁぁっ!! 助けて! 助けてぇぇぇぇ!!」
「くちゃ……くちゃくちゃ、じゅるるぅ……ごめんなさい、ぺろぺろ、ごめんなさい先輩……んふぁ、ずず……ちゅぅぅぅぅ……でもぉ、先輩のカラダすっごい美味しくて――やめられないのぉぉぉ……」
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十分後。裸に剥かれた部長の体に綾子の舌が巻きつき、まるで飴玉か棒アイスでも食べるように舐めしゃぶっていた。
そして恐ろしい事に、綾子の唾液を浴びた彼女の体はそれこそアイスのように溶け始め、みるみるピンクの液体となっていくのだった。
「くす……安心して部長さん。垢舐めの唾液で溶かされた人間は死にはしないわ。ただし意識を残したまま垢舐めに消化されて、また意識を残したまま液体として排泄されるの。永遠に自由が利かないまま苦しむんだから死んだ方がマシかもしれないかも、ね」
さらりと恐ろしい事を口にした黒い着物の少女は、まるで小さな子供が虫を解体して愉しむ様な、無邪気な残酷さを湛えた瞳で彼女たちの様子を観察していた。
「いい、綾子? そこの部長さんを含めて99人、綺麗な女の子を溶かし喰らったら元に戻してあげるわ。私は綺麗な女の子の苦しみの感情が何よりも大好きなのよ」
「きゅ、99……そんなに!?」
「あら、たいしたことないわよ。それに今の綾子は、どっちにせよ人間を溶かして食べなかったら生きていけない身体なんだし……くすくす、あはははっ!」
そんな少女の笑い声に、綾子は目の前が真っ暗になったように感じた。
(どんなことだって、このまま一生化け物の姿で居るよりはマシ……人間に戻るためだったら、あたしは何だってやる。でも……)
ちらり、と綾子は部長を見る。自分の唾液を浴びて液化し、みるみる小さくなっていく美少女。そして、彼女の味。彼女の成れの果てである液体を舌に感じるたび、全身を電撃のように走り抜けていく快感。
(こんなに美味しい……気持ちいいことを、あと98人分も……?)
果たしてその時、自分の心は人間のままで居られるのだろうか?
綾子は、自問せずには居られなかった………。
というわけで、妖怪ネタです。妖怪化といえば、私がネットに進出したてのころ、TSF(性転換)系の画像掲示板で妖怪変身イラスト+SSをかいていたなぁというのを思い出しました。(さすがにあの頃の絵を見てた人は少なかろうなぁ(^^;))
着物の女の子は地獄少女の「閻魔あい」みたいな感じにするつもりだったんですが、なんか下膨れて全然似ても似つかないキャラになっちまいましたねえ。なにやら意味ありげな発言がいろいろありますが、大体私の思いつきで書いたので特にシリーズ構想とかはありません(笑
あ、でもこのネタで一反木綿とかやったら面白いかもしれませんねぇ。
- 2007/08/05(日) 13:16:56|
- シリーズ/怪談・黒童
-
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| コメント:13
お久しぶりです。鬼太郎の現シリーズは、いままであんまり鬼太郎に出てこなかった妖怪(百々目鬼とか)を積極的に登用してるのが個人的にポイント高かったりしますね。鬼太郎の声はいまだにコナンに聞こえますがw
私が小さいころに見ていた第三シリーズ(80年代)はユメコちゃんがタコにされたりダイヤにされたりと、非常に形態変化フェチ心をくすぐる作品でありました。というか、ひょっとして私のこの嗜好ってあの番組が原因だったんじゃ……(=w=;
- 2007/08/05(日) 21:53:07 |
- URL |
- こがねむし #-
- [ 編集]
被害者がさらに被害者を作るのはいいシチュです!(待て
こういうシチュだとスライムがいい例ですw
同じスライム化し、本能に負けてまた被害者が増える・・・・というシチュがまず思い浮かびますね(汗
さて、あと98人ということなのだからこの子にはがんばってもらいたいですねw(酷
- 2007/08/05(日) 23:36:21 |
- URL |
- デュール #NRXdkuuw
- [ 編集]
連鎖・伝染シチュはこがねむしも大好物でありますねー。キャラの使いまわしもできて二度美味し……ごほんごほん。
被害を拡大する本能・衝動みたいなのに支配されていくのに萌えるのは、MC(マインドコントロール)系に通じるところがある気がせんでもないですね。吸血鬼とか。怪人(改造人間)とか。
- 2007/08/06(月) 00:25:13 |
- URL |
- こがねむし #-
- [ 編集]
お久しぶりです
意識を保ちながらも本能に抗えないというのは素晴らしいシチュですね
その妖怪化もさることながら、怪しい着物少女というのも個人的にツボではありますがw
- 2007/08/07(火) 02:48:55 |
- URL |
- 春紡 #JWnbMjSA
- [ 編集]
お久しぶりです。
花舞う楽園の頃からのファンたったりするんで妖怪物楽しませて頂きました。
当時のTS巫女さんの妖怪作成物語もここに復活して頂けたらうれしいです。
- 2007/08/07(火) 13:02:54 |
- URL |
- 牙 #t50BOgd.
- [ 編集]
お久しぶりです!
最近、というか半年近くも音沙汰無かったので本当に心配しておりました。
しかしこうして再びこがねむしさんのイラストとSSを拝見できて、安堵すると共に心から嬉しく思っております!
さてイラストですが、妖怪ネタで来ましたかw
私も鬼太郎シリーズにはずいぶん影響を受けましたから、やはり感慨深いものがあります。
そして妖怪化した綾子ちゃんは、他の女の子の垢だけを舐めるのかと思いきや…なんと液化して舐め取ってしまうとは!!
凄い発想です、最高に萌えますよw
これから98人も綺麗な女の子を液化し、味わえるとは…本当は妖怪化した綾子ちゃんを哀れむべきなのに、どこか羨ましく思えてしまいますw
では、リアルのお仕事や都合も大変かとは存じますが、どうぞマイペースでイラスト・SSの製作頑張ってくださいね。
ではでは~。
- 2007/08/10(金) 00:13:25 |
- URL |
- 時報の人 #NcbmeUl2
- [ 編集]
おお、リアクションいっぱい Σ(00;
どうもお待たせしていたみたいで申し訳ないです。
>ドロイドさん
とりあえず第2弾を書いてみました。どこまで続くかは謎ですが(^^;
>春紡さん
着物少女、想定とは大分違う形になっちゃいましたがこれもこれでありかな、とか。ややメタな感じですが(笑
>牙さん
げーっ、あの時代を知ってる方が!(0ロ0) ご愛玩ありがとうございます。
あのころ書いた原稿、紛失しちゃって手元にないんですよね。どこにいったのかしらん?
>夜明さん
妖怪化は昔からの好物なんで繰り返し扱ってますねー。商業作品ではサンデーの鬼切丸なんかが好きです
>時報の人さん
お久しぶりです。機を見つけて更新しよう更新しようと思ってたらこんなに時間が経ってしまいました。まったく自堕落なもので(^^;
改めて今後もよろしくです。まぁ、多少ムラのあるペースでもがんばろうと思いますー。
>現在楽識さん
あんまり洋モノは守備範囲じゃないですけど、機会があったらやってみたいネタではありますねー。
>hさん
TS系は多分今度のやつが書きあがったら手をつけると思いますー。
- 2007/08/10(金) 20:16:34 |
- URL |
- こがねむし #zaufXCZc
- [ 編集]