まずは頂き物の御紹介。kiss in the darkのg-thanさんから二千ハチ年にふさわしい年賀イラストをいただきました。

素敵なハチ女さんですねー。段階的に改造されていくのを表した表現がグッドなのです。ありがとうございましたっ。
さて、本題です。
前々からカードにしようかしらとか色々企んでいたファンタジーもの企画ですが、考えた結果ゲームブックまがいの形式にしようかと思います。順番にアタマから連載していく以上、完成するまでゲームブック本来の楽しみ方はできませんがそこはまぁご愛嬌。
※ ゲームブック形式というと、この界隈では冷凍石さんの「地下迷宮の主」が有名ですね。私もハカイダー名義の頃に挿絵を二点ばかり載せていただきました。今回ゲームブックもどきを作るに当たってまた読み返しに行ったんですけど、あまりにも自分の絵柄が古くて死にそうになりましたーッ。描きなおしてぇぇぇ!そんでもって、選択肢に対する回答をコメント欄に投票してもらって、票の多かった方を優先的に書き進めると。(まぁいずれどっちの選択肢も書くことになるんですが)とりあえず試験的運用ってコトで、上手くいかなくなったら色々変えてみようと思います。それでは本編にどうぞ~。
※ 1/28追記 画像グレーで塗りました。ちょっと塗り方を変えて、購入したばかりのペンタブでブラシ塗りをやってみたところ結構お手軽でいい感じ。あと画像の圧縮方法も変えてみたりとか。
Stage1 ブルーマウンテンの塔脱出
プロローグ ここはごくごく一般的な剣と魔法の世界、
ディッシュワールド。
かつて、魔王率いるモンスター軍団と人間たちの間に大規模な戦争が起こった。泥沼化した戦いは十数年も続いたが、一人の勇者が単身魔王城に乗り込み、魔王を討ち果たしたことでモンスター軍団は瓦解したのであった。
それから30年。この世界には大きな争いもなく、互いに協定を結んだ
7つの大国によって世界は平和に統治されていた。もっとも、モンスターとの戦争で多くの大人が命を落とし、また大魔王の残存魔力が男女の出生率に影響を与えたため、
全世界人口の8割が40歳以下、そのうち70%以上が女性という歪な人口構成ではあったが……。
さて、平和を手に入れればそれ以上の豊かな暮らしを望むのが人の常。
かつて勇者を排出した「
聖スイーツ帝国」。皇女を抑えて国の実験を握った
大神官シロップは魔王領の跡地に建国された鉱産国「
ティーランド王国」の豊かな鉱産資源に目をつけ、それを自国のものとすべく策略を練っていた。ティーランドの国土は帝国の三分の一にも満たず、軍事力も遠く及ばない。力で攻めれば簡単に陥落するだろう。しかし、そんなことをすれば他の五大国が黙っていまい。第一、国民とてそんな戦争に賛成はしないだろう。
ところがそんな折も折り、彼女の耳にとある不思議な噂が入る。
ティーランド王国の王女は女性でありながら、男の性器を持っているというのだ――。
>>01へ01「はぁ~ぁ……」
ティーランドの王女、カプチーノは薄暗い牢の中で何度目か知れぬ溜息をついた。彼女がここに幽閉されてからはや三ヶ月。こうしている間にも彼女の祖国は聖帝国に刻一刻と侵略されているのだ。常に気丈に振舞って見せてはいるものの、内心忸怩たる思いであった。
「母様……今頃どないしてはるやろ……」
自分と別の場所に囚われている母のことを思うと、心が痛む。母は、この事態を引き起こしたカプチーノの身体について、何度も泣いて謝っていた。こんな身体に生んでごめんね、ごめんね、と……自分が受けた仕打ちと同じくらい、カプチーノはそんな母の姿を見るのが辛かった。
目を瞑ると、あの忌まわしい記憶がまざまざと蘇ってくる。
国民達の目の前で裸に剥かれ、悪魔の子と罵られた記憶が。
(わたしの……身体)
カプチーノは自分の下腹部にそっと手を這わせる。囚人服に包まれたそこには、本来女性ならば有り得ないふくらみが存在していた。
両性具有。カプチーノは女性でありながら、生まれつきその身体には男性器をも有していたのである。
(母様が悪いわけが無い。もちろん、わたしの身体が悪いわけでもない。全部あのいけ好かない小娘……大神官のシロップが悪いんや)
そんなカプチーノの身体に目をつけたのがシロップであった。彼女の策略により、カプチーノは神の被造物らしからぬ肉体の持ち主――即ち悪魔の子、ひいては魔王の生まれ変わりであると国民たちに信じ込まれてしまった。長らく魔王が支配していたというこの国の歴史が、その言いがかり同然の言説に信憑性を与えてしまっていた。
結果として王族はばらばらの場所に幽閉されるか、さもなければ国から追放された。指導者を失ったティーランドにはスイーツ帝国の新政府が建設され、いまや属国同然のありさまだ。
「……姫様。カプチーノ姫様」
カプチーノの暗澹たる思考は、彼女がよく知った声に中断された。途端にカプチーノの表情がぱっと輝く。
「ザラメちゃん! 来てくれたん?」
来客は聖帝国の騎士、ザラメだった。もともとザラメはカプチーノの監視役としてつけられた人間だったが、檻ごしにカプチーノと話すうちに彼女の身の上に同情し、シロップの非道な行いに強く憤るようになった。囚われの王女にとって、いつしかザラメの存在は心の支えになっていったのだ。
しかし、生真面目で不器用なザラメは自らの思いを秘めたままではいられなかった。今回のことについて「上に意見してくる」と言って飛び出したのが一週間前。まったく音沙汰のないザラメの身の上に何かあったのではないかと、この一週間カプチーノは気が気でなかったのである。
「……よかった。ザラメちゃん、わたし心配したで……!」
「申しわけありません、姫様。今は話をしている暇はありません。一刻も早くここを脱出しましょう」
「なな、何やて!?」
ザラメの唐突な発言にカプチーノは目を丸くした。冗談でも言っているのかと思ったが、ザラメの表情は真剣そのものだ。そもそもこの女性にはまるで冗談というものが通用しない。そのことは、この数ヶ月を共に過ごしたカプチーノにはよく分かっていた。
「早く! とにかく一刻を争うんです!」
A. わかった、とにかく逃げるで! >>12へ
B. まぁ茶でも飲んで落ち着きや >>40へ
ひとまずこんな感じで。選択肢に関しては、次回更新でABどっちの展開が見たいかをコメントやブログ拍手の公開メッセージなんかで教えてください。
"若い女の子ばっかりの世界"というこの上なく都合のいい世界を構築してみたのですが、いかがでしょうか(笑) 絵はどうしていこうかなぁ。それこそ「地下迷宮~」みたいに公募をまじえてもいいかもしれませんねえ。はてさてどうなることやら。
- 2008/01/25(金) 14:51:33|
- ゲームブックもどき
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| コメント:4
g-thanさんのサイトは僕がその筋のサイトに触れるきっかけになっただけにやはり良い絵で。
(もっとも僕の場合少しずれた萌えも感じてますけど)
変身シークエンスがまたいい流れですね。
そしてゲームブック企画・・・女の子の多いのはお約束としても、そこからどうなっていくのかはどきどきですね。
ひとまずとっさにはAと応えながら次を待ちます。
- 2008/01/28(月) 21:01:44 |
- URL |
- カギヤッコ #/k8K4ErU
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みなさま、早速のご協力ありがとうございます。
名無し虫さん>
王道ですか(笑
カギヤッコさん>
きっしんは洗脳・怪人化のポータルサイトみたいなところがありますからねー。シーケンスはよいです。描くのはめんどくさいンですが……(^^;
ヒさん>
期待に応えられるよう頑張りますー。
- 2008/01/29(火) 23:27:26 |
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- こがねむし #-
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